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夫の勤務先ニューヨークで子供アート教室を開く。可能にしたのは強い意志と家族のサポート。

3/13/2016

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湊美華さん。
 
バイリンガルキッズアート教室、リトルアートガーデン(Little Art Garden)を、2015年にニューヨークでスタートした。
 
ご主人のニューヨーク転勤に合わせ、勤務していた信託銀行を退職し、2010年にニューヨークに渡る。2012年に長男を出産。
駐在妻として米国に渡り、経験のない分野で一からスタートしてアート教室を始めた美華さん。

感動とひらめきを決意に変え、柔軟さとハードワークで確実に前に進む美華さんに仕事と子育てのワークライフバランスについて聞きました。

​ ー ご主人の転勤でご自分の仕事を辞めたことをどう捉えましたか。
 
 日本で働いていた時は、信託銀行の営業職で、成果もあげていたし、お客様に良い商品を販売している自信もありました。でも、その時既に自営業をしている父親の影響か、自分で仕事を始めたいと思っていたので、主人の転勤に合わせて、自分が退職になったことに後悔や抵抗はありませんでした。
 
 ー 出産後も仕事を続けたいと思っていましたか。
 
 子育てと仕事は両立できると信じていました。それは自分でビジネスを起こす意識が常にあったからだと思います。子育てや家庭に影響が出ない時間帯でできることはないか探していたのです。
もともと専業主婦意識が強いのだと思います。子供と一緒にいる時間も持ち、家庭に支障を来さないことが前提にありました。でも家庭に働く大人が二人いた方が、生活/将来設計も立てやすい。それもあって、子育てと仕事の両立を目指して模索して来たのだと思います。
Pictureクリムトがテーマのクラスの画材
ー アート教室を開こうと思ったきっかけは何でしょう。
 
 ニューヨークに来て、子供がまだ一歳半の時に、タイニーグリーンハウス(Tiny Greenhouse)という自宅近所の子供アート・サイエンス教室に通いました。その教室で息子に付き添ってクラスを受けたことが、私にとって大きな転機になりました。
当初は、親子で参加できる自宅から近い教室を気軽に選んだのですが、子供と教室に通うようになって、サイエンスクラスに特に感動したのです。先生はアイデアに溢れていて、毎回題材に選ぶテーマもユニーク。使う素材はシンプルで、子供達は先生が用意するモチーフの上に色を乗せるだけ。それなのに、出来上がる作品の完成度が高く、本当に美しいのです。私は毎回クラスの内容をノートにびっしり書き込みました。アートクラスは世界のアートやアーティストを紹介するというクラスでした。

​
両方のクラスに通ううちに、アートにサイエンスの要素を取り入れた子供アート教室を開く、というひらめきが走ったのです。それまでずっと、色々なビジネス案を考えて来たけれど、これほど自分の中で確実にビジネスにしていきたい、というものに出会えていませんでした。
私がこんなに感動したのであれば、その感動を他のお母さま、子供達と共有できると思いました。
そしてアート教室は、どこの国でも自分の身一つでできます。今後どこの国、地域に住むことになっても、私は仕事を続けられます。

 
 ー 金融からアート教室と分野が全く違いますが、アートを仕事にすることは考えていたのですか? 
 
 長いこと自分で何が始められだろう、と色々と探していましたが、自分がアートをするようになるとは思ってもいませんでした。私は大学で美術専攻ではなかったし、手先も器用ではないので、アート系の仕事に向いていないと思っていました。でも大学で保育士の資格は持っているので、子供に関わる仕事ができると思っていました。
 
自分がアート教室に興味を持って、アートの勉強や調べものをしているうちに、子供の頃の父親からの影響を感じるようになりました。
私の父親は、アートへの投資に積極的でした。アートギャラリーに頻繁に足を運び、子供の私を一緒に連れて行ってくれました。そうやって子供の頃から自然にアートを観て、触れていたからこそ、そのサイエンス教室の先生のセンスや作品の完成度の高さを感じとれたのだと思います。

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ー ニューヨークでアート教室を開く、というゴールは定まりました。そのためにとったステップを教えてください。
 
 第一歩として、まずアートの知識を増やしたいと思い、マンハッタンのFashion Institute of Technology(FITとして知られている)でカラースペシャリストコースを専攻し二年通いました。
 
 ー 学校に通っている間の子育てはどうされましたか。
 
 主人と私の母親が、交代で日本から援助に来てくれました。両家の母親にとっても、孫が小さいうちに一緒に過ごせるチャンスだと、私の夢を前向きにサポートしてくれました。
 

 ー ご主人からのサポートはいかがでしたか。
 
 主人は、私が仕事と育児の両立を可能にする仕事をしたいという熱意を理解してくれていました。今はニューヨークが勤務地ですが、今後転勤があった時でも、赴任地でできるスキルを見つけたいと私がずっと試行錯誤しているのを見てくれていたし、このアート教室に出会った時の私の感激と強い意志を理解してくれていました。私が大学に通うこと、そして大学に通っている間の息子の世話のために、母親達を呼ぶことにも賛成してくれました。
​
それだけのサポートを受けて大学に通えるようになったのですから、どんな状況下でも、カラースペシャリストのコースを終了する、という決意はぶれませんでした。
そして、とにかく沢山の美術/芸術の本に目を通し、クラスを想像しながら参考になりそうな本は全て揃えました。

 
 ー そうやってアートの資格や知識を増やされましたが、実際にクラスを持つことの具体的な計画はあったのですか?
 
 タイニーグリーンハウスで働きたいと思っていたので、FITのコース終了後、ボランティアからでも、働かせてもらえるかをその教室に聞きに行きました。でも残念なことに、教室を閉める話がその時に出ていたようで、人を採用する状況でないと断られました。
であれば、「自分で教室を起こそう」と決意したのです。

Pictureクリムトを作成する子供達。ニューヨークママサロンにて。
ー それまでアートクラスを持っていなかったのに勇気のある行動でしたね。まずどこで始めたのですか?
 
 まずは、日本で始めようと思いました。日本に一時帰国する時に、実家のある地域の公民館でアート教室を持ちました。地区会館は料金が低くリスクが少ないので、初回のクラスを持つには最適でした。
 
 ー 初めてのクラスですよね。それも当時、美華さんには、日本のママ友ネットワークがなかった。人集めのための告知はどうしましたか?
 
 私は媒体を使っても人が来ないことを経験で知っていました。知り合いがコミュニティー誌で生徒募集の広告を出したけれど効果はほとんどなく、自営業の父の仕事でも、DMを1000通出して反応が一人からしかない、という時もありました。公民館の告知媒体にも載せませんでした。
 
 ー ではどうやって人を集めたのでしょう?
 
 私は、口コミが一番効果的だと思っています。自分の信頼する友人や知人の体験ですから、信用できますよね。特に子供向けクラスであれば尚更です。
私の母は顔が広く、そして色々なボランティア活動をしていて、行く先で小さなお子さんがいる
お母さん達に私のアートクラスの話をしてくれていました。母は、より多くの人に話せる機会を増やすために、ボランティア活動などをしてくれていたのだと思います。また、父は小学校の非常勤講師をしていますが、学校で、親御さん達にこのクラスの話をしてくれました。
​
クラスは好評でした。一度目は4組、三ヶ月後の二度目は7組(定員8組)のお子さんとお母さん達が来てくれました。このクラス当日は、主人に息子を預け、母は受付を担当し、父はアートクラスの色々な下準備を手伝ってくれました。家族の協力があって実現したのです。
そのクラスの様子をFacebookに載せたところ、それを見た大学の後輩から「クラスを開いて欲しい」と連絡があり広がる可能性を感じました。
日本で得たこの経験が自信になり、NYでもクラスが持てると思いました。

Picture子供達のクリムト作品。左下はサイエンスの要素を取り入れ、色付き液体に泡を浮かせる。

​ー ニューヨークでクラスを始めたきっかけをおしえてください。
 
 私がFITに通っているのを知っていた友人が、私がカラースペシャリストコースを終了した話をしたところ、ブルックリンの自宅保育『いろはの森』でアートクラスを持たないか、と声をかけてくれたのです。そこから口コミで広がり、今は、マンハッタン、ブルックリン、ニュージャージでクラスを持っています。
 私は、体験してもらえればこのクラスの魅力が伝わると信じています。私があれほど感動したのですから。お陰さまで、アッパーウェスト教室はキャンセル待ちです。私が表現したいこととクラスの内容が、お母さま達からのニーズに合い広がっているのだと思います。

 
クラスが始まる前は、不安もありました。私に、タイニーグリーンハウスの先生達のような完成度の高い作品を作れるのだろうか、と。
回数を重ね、クラスの準備をしていくうちに「出来ている」という実感を持つことができたのですが、ある時、自分のアイデアやクリエイティブさを試されることがありました。
あるお母さまから「クリムトを題材にしたクラスをして欲しい」とリクエストがあったのです。私はクラス二年分のコンテンツを既に用意していたのですが、その中に、クリムトを題材にしたものはありませんでした。


早速デザイン、材料、色などを決め、一から制作し、クラスの流れを構成し、クリムトをテーマにサイエンス要素も盛り込んだモチーフを仕上げました。他にもフランス、ジャマイカ、ミュシャを題材にしたものを制作し、自分が納得のいく完成度の作品が出来たのです。そしてお子さんやお母さん達にも喜んでもらえたのです。
このことが、さらにオリジナル作品を制作し、それらを使ったクラスを持てるという自信につながりました。
 
学生時代にアートを勉強してこなかった私が、次々に発想が湧き作品に取りかかれるのは、私が子供の時に、父親が沢山のアートを見せてくれていたからだと思います。点と点が線で結ばれた気がしました。

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ー 3月1日から、タイニーグリーンハウスでクラスを持つようになりましたね。
 
 はい。一時、教室が閉まる話が出ていたのですが再開されました。クオリティがとても高い教室なのでファミリーから継続要望の声が強かったのではないでしょうか。
ここの教室では3歳半から7歳のお子さんを対象に、モア(モダンアート)エクスプロアー — MoA (Modern Art)Exploreというクラスでアメリカ人のお子さん達に週一回、教えています。私にとっても、アメリカ人の子供や親の反応を肌で体験できる場でもあります。
私がアートクラスを持つきっかけになったこの教室で自分のクラスが持てるようになったことは大きなステップになりました。

このクラスでは、クリムト、ミュシャ、マチス、ルノアール、ゴッホやシャガールの絵から、オリジナルのモチーフを作成して教えています。このコース終了後に子供達がマンハッタンのMOMA(近代美術館−The Museum of Modern Arts)などで、アーティスト達の作品を直に観た時に、このクラスで学んだことが線で繋がってくれればいいなと思います。

 
 ー 今、子育て中のお母さま達にメッセージはありますか?
 
 置かれている環境は人によって違います。私は、主人や家族からのサポートがあり恵まれているとも思います。
ただ自分の将来を決めつけて欲しくないです。私も、銀行員だった時に、アートの先生になるなんて考えてもいませんでした。「この経験がなければ、これはできない」と、自分で選択の幅を狭めてほしくないと思います。

Little Art Gardenのクラス
アッパーウエストサイド:隔週
ニューヨークママサロン:隔週
ブルックリン、自宅保育『いろはの森』:月一回
タイニーグリーンハウス:週一回火曜日
 
リトルアートガーデン(Little Art Garden)のFacebookサイトはこちら。https://www.facebook.com/littleartgarden/ 

​(次回は4月10日にポスティングします)
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