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自分の人種だから、感じ得ること、出来ること。(後編)

7/4/2016

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子供が赤ちゃんのうちは、キャリアを追求したブランディ。
今、コーポレイトから教育の現場に仕事を変え、コミュニティ/インクルージョンのディレクターとして、人種、宗教、家庭環境、LGBTをインクルードした教育現場の整備に日々打ち込んでいる。
アフリカ系アメリカ人のブランディが体験してきたから感じる子育ての不安、そして、自分の子供達には体験して欲しくないこと。それは、もしブランディの話を聞かなければ、私には想像もできないことでした。
*前編はこちらから。
 ー 今、学校のポジションでされていることについて教えてください。
 
 色々な角度からのアプローチがあります。
学生達へのインパクトをもたらすには、幾つかの方法があります。
まず、年に数回ファカルティ(教員を含めた学校関係者)ミーティングをリードし、ダイバーシティ/インクルージョントレーニングをします。
学生、特に中学、高校ではアフィニティグループの活動を助けます。

先生達と一緒にカリキュラム作成に参加します。子供を教える際に様々な子供達の意見が反映されているか、もし、教室で一定の子供達のグループだけの目線で教えていたら、それ以外のグループの子供達を間接的に除外することになります。
ファカルティのプロフェッショナルデベロップメントを行ったり、親達に向けて、様々なダイバーシティ普及の教育プログラムを運営したり、理事に向けてダイバーシティとインクルージョンについての報告なども行います。
アドミッション担当ファカルティと一緒にダイバーシティ/インクルージョンが生徒の入学決定に活かされているかを確認します。

ファカルティやスタッフの採用の際に、私も面接に参加します。採用にはHRのバックグラウンドが活かされています。子供達を教える教師のこれまでの経験が、この学校にこれまでになかった新たな発想や考え方をもたらしてくれるか。また私達と同じ方向に進もうとしている人なのか、などを採用する際のクオリフィケーションにします。
​
また日々の学校生活の中で対応が必要なことが出てくることもあります。私の考え方や知識、経験がその対応で活かされる時もあれば、親御さんと一緒に対応する時もあります。
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 ー コーポレートにいる時に次のステップが見えなかった、ということですが、では、今の仕事が、そのステップだったのでしょうか。
 
 そうですね。そして興味深いことに、仕事を始めて今が、次のステップについて考えない初めての時とも言えます。
この仕事を始めてから、9月で三年目に入るのですが、今のゴールは、次のステップがあるかどうかではなくなって来ているのです。
若かった時は、上を目指して常に次のポジションをゴールにしていました。でも今は、自分がしている仕事に集中しているのです。教育機関で働くことは、企業の環境で働くことと全く違います。この二年は、新しい環境で私自身も学んでいますし、そして自分がコミュニティの役に立っているのか、もっと役にたつためには何をすれば良いのかを自問自答しています。
 
 ー あなたの人種は、教育機関で働くという決断に影響していますか?
 
 私は高校生の時に私立高校に通いました。実は、20年前に私が私立高校に通っていた時と、今とさほど状況が変っていないのです。そのことは、この仕事に就くモティベーションに大きく影響したと思います。
有色人種で女性の私が、中学、高校と白人が大半を占める教育機関に通ったということは、今の仕事場であるこの学校でも、白人以外の子供達と同じレンズを持っていることになります。私立高校に通う白人以外の生徒は白人の生徒と違う見方をするということを経験してきましたからね。
​私の人種がしてきた経験 − 生徒として、親として、そしてキャリアを追ったプロフェッショナルとしての経験からの見方が、よりより社会のために役に立つことはないのか、と考えさせてくれるようになりました。

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 ー 働く母親として一番チャレンジと感じることは何でしょうか。
 
 バランスです。
仕事は、自分のことなのです。自分が役に立てているか、自分の仕事はどう評価されているか、これから何をしたいのか。自分の達成感、満足感ですよね。もちろん、自分の子供二人を私立校にいれるだけの収入や日々の生活を送れるための大きな手段ではありますが。それでも、個人としての私の自覚、アイデンティティーは仕事を通して得ていると思います。

そして子供達の母親としての自分です。
私は子供達と十分な時間を過ごしているのだろうか。子供達に必要な注意を払ってあげられているのだろうか。母親としてちゃんとしてやれているかという不安と同時に、もっと一緒にいてあげられないことに罪悪感を感じるのです。
仕事で自分が良い仕事をしているかどうか、の方が、母親として自分が良い仕事をしているのかどうかより判りやすいと思います。
 
良い子供達に育てたい、良い教育を受けさせたい、子供達が大人になった時に、自分の子供時代をどう見るのか。そしてそれを彼らの子供達にどう伝えて行くのか‥。
 
私と主人は家事は全て平等で共同で行います。子供達も、私と主人どちらかが家にいれば同じようにハッピーなのです。どちらか一方に極端に慣れている、ということはありません。
今の仕事に就くまで私はとにかくキャリアにフォーカスしていたので、主人もそこは理解してくれていました。私の主人はイタリア系アメリカ人だからか、料理好きで、夕食の準備も喜んで担当してくれます。
 
でも、子供達のことに関しては、やはり母親なのです。子供達の健康、学校生活、友達関係、教育など上手く行っているかどうかのプレッシャーを感じるのは母親だと思います。
私達の子供達は有色人種です。残念ながら、茶色い肌の男の子を育てることには、女の子を育てることよりも神経を使います。茶色い肌を持つ男の子が社会で体験することは、女の子とは全然違うからです。6歳の長男をみていて、この子がティーンエイジャーになった時にどういう姿になっているのかを時々考えるのです。

 
 ー なぜ長男の方に神経を使うのですか?
 
 息子は背が高くなるでしょう。背の高い黒人の若い男性に対して、恐怖を感じる人達がいるのです。偏見やステレオタイプを持つ人はいるのです。それなので今から息子には話をしていかなければなりません。「警官から声をかけられたらどう対応するのか」。まだ6歳の息子には、こういう話し方はしませんが、でも例えば、「警察の前を通る時はポケットに手を入れないようにしなさいね」とかね。息子は、「でも緊張するとポケットに手を入れたくなるんだ」と言うのです。息子には「人には敬意を持った対応をしなさい」とか、「警官に声をかけられたら、Yes Sirと答えなさい」とか。残念ながら、息子が若者になった時に、黒人の若い男性だということで、警官に声をかけられることは、絶対に起きてしまうことなのです。
 
 ー 6歳の今から、それを伝えていかなければならないのですね。
 
 彼らが自分自身を守るためには必要なことなのです。
娘は違います。女性は、社会で犯罪の脅威ではないからです。でも、娘が友達といる時、弟と一緒にいる時に、何か起こった時のために、話はしていかなければなりません。
 
こうやって、「しなければいけないこと」をこなすことに毎日必死になって生活していると、瞬間を楽しんでいないことに気がつきます。二週間後に誕生日が来るのだけれど、振り返るとこの10年、あっという間に過ぎてしまいました。
家庭と仕事のバランスをとり、良くやっているなぁと感じながら、子供と一緒にいる瞬間を大切にしていきたいですね。この10年があっという間に過ぎたように、忙しさに追われているといつのまにか子供達がティーンエージャーになり、何を聞いても上の空の返事しか返ってこないようになってしまうのでしょうね。

 
 ー 先ほど、ご主人と家事/育児を分担するお話をしてましたね。
 
 女性が仕事と家庭を両立するためには、夫の家事/育児の参加が不可欠です。親業、家庭を一人でこなしキャリアを目指すのには限界があります。
米国では、もちろん地域や家庭によって差はありますが、家事/育児は夫婦でシェアします。そうすることで、女性も仕事に集中できるのです。家事や育児は想像以上のエネルギーと時間を使います。一日の時間は限られていて、その時間内にできることは限界があります。夫がその役割をシェアしてくれれば、その大変さが理解できるのです。

 
 ー 母親になってよかったと思う瞬間はどんな時ですか?
 
 自分の子供達が人として成長している姿に触れるときです。人に親切にしたり、良い友達でいてあげようとしたり、問題があれば、自分なりに解決策を考えている姿を見ると愛おしく思います。良い人間を育てていると感じる時は一番の喜びです。
そして、子供達が学校や生活の中で、親との会話の中で学んだことをひらめきに感じている姿をみる時もそうですね。彼らの中で、電球が付いてパッと明るくなるような、そんな瞬間です。先日も、学校に通う途中で、息子が私に学んだことを一生懸命説明してくれるのです。彼にとっては初めて得た知識で、それを私に説明しながら、自分がどうその知識を適応するかを、彼なりの戦略を語ってくれる。そんな姿が親として何よりも嬉しいですね。
 
そしてハグ。朝起きた時に子供達を抱きしめる瞬間はたまりません。いつまでしてくれるのかしら。。。と、思いながら。



💎次回のブルックリンママインタビューは番外編。盛り付けデザインの第一人者、盛り付けデザイナーの飯野登起子さんです。
飯野さんは、東京の自由大学で『おうちパーティ学』『おいしい盛り付け学』の講義を持たれています。そして、京都の老舗『下鴨茶寮』の京都や新宿の伊勢丹のディスプレイや、広島、愛媛、富山、山口等の地方創生関連、素材や郷土料理をデザイン発信する仕事等、活躍の場を広げていらっしゃいます。また、尾道自由大学では、先日、島根の窯元の器に地元の食材を使った料理の盛り付けデザインのツアーを行ったばかり。器、食材の魅力や可能性を引き出すプロでもあります。
10月にニューヨークで講座開催予定の飯野さんに、子育て観、ワークライフバランスについて伺います。お楽しみに!

飯野さんの盛り付け学への想いと、講義の様子、そして生徒さんのコメントはこちらのリンクでご覧になれます。
飯野登起子「盛り付けデザイン学」第5期@尾道自由大学
島根の窯元の器と地元の食材を魅せる:尾道自由大学Design Science for Styling Dishes:

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