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暖めていた決意を次々に実行!仕事/子育て両立で奮闘していた母親の背中を押してくれたのは娘達。

9/10/2015

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シリーズ四回目はシャミーナ・ラオ・ヘラル。
デザイン大学として有名な、ニューヨーク州立ファッション工科大学(FIT)グラフィックデザイン課を卒業後、グラフィックデザインスタジオで、クリエイティブ・ディレクターとして活躍。

インド人の両親を持ち、15歳の長女、11歳次女、夫と4人で、ブルックリンの閑静な住宅街に住む。


適切な言葉を選んでオリジナリティのある考えを伝える表現力と、チャレンジをパワーに変えて行く意志を秘めたシャミーナの、ワークライフバランス・ストーリー。


 ー 長女出産前と出産後のお仕事について教えてください。

FIT卒業後、グラフィックデザインオフィスに七年勤め、クリエイティブ・ディレクターのポジションにつきました。デザイナーとしてトップのポジョションでしたし、やりがいもありました。

でも私は、子供を持ったら自分で育てたいと思っていたので、29
歳で長女を出産する前から、出産後に自宅で仕事ができる環境を持つためにオフィス内で動いていました。フリーになってからは、そのオフィスがクライアントになり、自宅で仕事をしました。私はフリーのデザイナーとして早くからキャリアを積むことに成功していましたが、仕事の領域を更に広げるために、次女が6歳の時に違うデザインオフィスに週四日で勤め、二年半後にまたフリーランスに戻りました。

 ー フリーランスに戻ったのはなぜでしょう

週一日は子供と一緒にいれると思って受けた条件でしたが、終わらない仕事を自宅に持って返ってすることになり、時間的拘束はフルで仕事をしているのと変わりませんでした。また、その時は、フルタイムのベビーシッターを雇っていましたが、「やっぱり子供は自分で育てたい」、という想いが自分は強いことに気がつきました。

 ー 子供が大きくなってから仕事に戻る、という選択もあったかと思います。なぜ仕事を続けよう、と思ったのでしょう。

三つ理由があります。一つは、デザインという仕事は流行があるので、現場から長く離れてしまうと自分のスキルやデザインがマーケットのニーズにマッチしなくなります。二つ目は、教育を受け、仕事をし、社会に関わってきた人間として、社会の一員として貢献したい、ということ。三つ目は収入を得る必要がある、ということです。幸い、フリーとして仕事が途絶えることがなく、その点では光栄であり運がよかったですね。

 ー ということは、フリーランスでも、仕事で忙しい毎日には、変わりありませんよね。

自宅で仕事をしていれば、時間の調整ができます。子供が小さい時は、子供が寝ている間に仕事をし、子供が学校に行くようになってからは、その間に仕事をする。時間が調整できるので、子供の遠足が入れば、学校のヘルプで遠足に同行したし、発表会や参観日も出席し、学校に迎えに行くことができました。
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 ー ご自分の幼少から思春期時代に、お父様のお仕事で転勤が多かったそうですね。その経験はご自分の子育てにどのような影響がありますか?

私達家族は、父の仕事の関係で三年ごとに住む場所が変りました。子供にとって三年ごとに新しい環境に対応するというのはストレスです。でも両親は、子供達にとって家庭が拠り所になるように努力をしていました。インドの親というと保守的な印象があるかと思いますが、私の両親は、子供個人の個性を尊重してくれて、私達三人姉妹が興味あることを応援してくれました。

父の転勤先がケニヤになった時に、ケニヤのインターナショナルスクールに通いました。それまでは転勤先の現地校だったのですが、インターには文化背景が違う子供達が、流動的ライフスタイルを持つという共通項で集まっています。新しい子供が来てもすぐ受け入れてくれる環境です。その学校での生活が学生時代の中で一番充実した日々でした。

引っ越しが多かったのは大変だったけれども、その経験のお陰で視野が広がり、多様な考え方の人達との交流を可能にしました。三年ごとに引っ越す先では、貧困を日常的に目の当たりにすることもありました。私は、恵まれた環境 —温かい家庭で、衣食住に困らず、学校に行ける— で育っている自分の子供達に、人に対しても思いやりのある良い人になってほしいと思っています。

子供達に色々なものを見せてあげたくて、毎年長期の家族旅行に出かけます。またダイバーシティを享受できるニューヨークというこの街で育つことで、グローバルな考えを持った大人になってもらいたいと思います。

 ー 子供が産まれてから、自分の選択で後悔していることは何でしょう。

早いうちに、ヘルプを受け入れていればよかった、と思っています。フリーは、フレキシブルな反面、依頼された仕事は断りにくく、仕事の量を調節するのが難しいのです。子供が小さい時は、子供が寝ている間に仕事をして、夜中二時まで仕事をすることも多々ありました。子供が学校に行くようになると、まとまった時間に仕事が出来て効率は上がりますが、と同時に仕事の量は増え、今度はずっと家の中にいることになりました。

私は、子供を人に預けることに罪悪感があり、子供を持ってから、週四日のオフィス勤務を二年間半した以外は、子育ても仕事も全部自分でしてきました。もちろん主人はとても協力的です。家事も手伝ってくれるし子供達とも遊んでくれます。でも、もし学校からの子供のピックアップをシッターにお願いしていたら、その間に仕事も進められるし、仕事が片付けば夕食の準備もできる。でもそれをしなかったから、仕事を中断し、子供を迎えに行き、帰ったら夕食の準備で、残った仕事は、夕食の後にすることになる。持病の腰痛も、シッターに子供を見てもらって、その間にセラピーやヨガなどのクラスを受けていたら、悪化しなかったかもしれない。

長女が13
歳の時に、燃え尽きた感を強く感じ、自分をみつめ直しました。

 ー 自分をみつめ直すために、何をしたのでしょう。

心身を休めるために、以前から興味があったヨガを始めました。ヨガの瞑想と呼吸法が心を落ち着かせ、それによって前向きな気持ちになれる自分をみつけました。その効果を実感した私は、インストラクター資格コースに八ヶ月通って資格をとりました。今は週に一度、思春期の子供達に教えるクラスを持っています。他には代行講師として、アート大学等でもヨガを教えています。

同じ時期に、ニューヨーク市のアート教員の資格も得ました。私はグラフィックデザインが本業なので、アート教員は代行としてですが、公立中学で一学期教えるなどしました。

『人の役に立てている』という気持ちが、自分を成長させ、気持ちを豊かにしてくれていると思います。

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 ー 日本では、定時で帰る母親に対して不公平感を感じる社員がいるといいます。それに対してどう思われますか?

出産前に勤めていたデザインスタジオの男性上司から、「あなたを昇進させたいけれども、女性は結婚したら子供を産んで辞めたり時短にするから昇進は見送りたい」と言われました。もう10年以上前なので、今はこんな発言はできないと思いますが、その時は、これは雇う側の本音なのだろうか、と考えたものです。実際、私は産まれたばかりの子供を人に預ける気はなかったので、彼の言う通り退職しましたし、デザイナーは特に肩書きで仕事はしないので、スタジオを辞めてフリーになったことに後悔は全くありません。

この問題は様々なレイヤーがあり、一つの解決策がある訳ではありません。アメリカでも、有給育児休暇システムがない組織は、Disability Leave (ディサビリティ・リーブ — 一時労働不能休暇。Disability
は障害/ハンディキャップのこと)が、適応されます。子供は未来のはずです。出産を障害と見なす社会の意識変革や、組織内、社会に子育て中の母親をサポートするシステムが整わず、女性が子供を産まない選択をしたら、人口は減ってしまいます。

 ー 仕事、子育て、ヨガ講師など、お忙しい毎日を乗り切るモットーを教えてください。

何歳になっても、人は学び成長していく選択をとれる、ということでしょうか。置かれている状況によっては、その選択にすぐ取りかかれないかもしれないし、完了するまで時間がかかるかもしれない。でも、「これで終わり」、「行き詰まった」と諦めず、自分の人生のギアチェンジをしていけると思っています。

長女が13歳の時に、ヨガ講師の資格をとりたいことを、家族皆に一席をもって伝えました。「マム(mom – 母)は、新たなことにチャレンジしたいので、皆で協力しあって、自分達で出来ることは率先してやって欲しい」と伝えました。娘達は、40代になってから、新たなことにチャレンジしたい、という私をとても好意的に受け入れてくれました。

あれから二年、ヨガ講師、アート教員の資格も取り、そして今、私はドゥーラ(Doubla
)の資格習得のために仕事の合間に講習を受けています。ドゥーラとは、出産前、出産中そして出産後の母親達への精神的、身体的サポートをするプロフェッショナルのことを言います。出産や子育ての情報源、サポートとなり母親の不安を軽減するお手伝いをします。出産後も授乳や子育ての相談や情報提供、また母親が、子育てが出来る精神状態にいるためのサポートをします。


出産という掛け替えのない人生のイベントを迎える女性達の力になりたいと思っているのです。二人の娘達も、新たなチャレンジに向かい合う私を応援してくれています。

(次回のインタビューはNY時間の10月10日ポスティングします)


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